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心不全

心不全の基礎知識とメカニズム

心不全とは心臓の機能低下により日常生活に障害を生じた病態をいいます。症状は多様であり、病因もまた心筋組織が直接的に障害を受けている場合や長期的に負荷が加わり発症する場合のほか、根本原因が心臓以外に存在する場合もあり様々です。

心不全の分類

心不全は慢性と急性とがあり、分類としては主に「収縮機能不全」と「拡張機能不全」に分けられますが、両方の機能不全が認められることもあります。また原因としては心臓の壁や弁の障害ばかりでなく、高血圧や糖尿病などの生活習慣病が危険因子として存在しています。

心不全と高血圧

高血圧は心不全の基礎疾患として頻度が高く、心不全は高血圧の重症な合併症となります。
高血圧の適正な管理は極めて重要であるとともに、高血圧の治療では、心不全の合併を念頭において、適時、心不全のスクリーニング検査を実施することが大切です。

心不全と糖尿病

糖尿病は慢性心不全の強力な危険因子となります。糖尿病患者において血糖コントロール不良の状態が続き、HbA1c値が8%を超えてくると心不全のリスクが高まるといわれています。糖尿病治療においては心不全の可能性も念頭におき、HbA1c値の管理とともに必要に応じて心不全のスクリーニングなども実施していくことが大切です。

心不全とCKD

慢性心不全において腎機能低下は最も重要な予後規定因子であり、またCKDと慢性心不全が合併する頻度は極めて高いといえます。実臨床では心腎連関の重要性が強調され、慢性心不全治療においてはeGFR(推算糸球体濾過量)を求めて治療戦略を立てることが望まれています。

心不全の診断

心不全の診断はまず、脈拍、血圧低下、聴診器で確認できる心音の異常および肺への液体貯留、心臓の拡大、頸静脈の拡張、肝臓の腫大、腹部や脚の浮腫などにより検討されます。
症状と身体所見から心不全が疑われた場合は、採血・検尿・胸部X線検査・BNP・NT-proBNP・心エコーなどを実施し、診断の妥当性を検討します。

心不全の治療

心不全の治療目的は大きくわけて症状をよくする治療と、予後を改善する治療があります。その目的により使用する薬剤が使い分けられています。症状改善薬として主に用いられているのが利尿薬であり、予後改善薬にはACE阻害薬やβ遮断薬などが頻用されます。主病態がどのようなものかをしっかりと把握して、それぞれの病態に応じた治療を行うことが大切です。