婦人科子宮頚部細胞診 第2章
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–18–3.細胞診検体としての保存安定性 婦人科・口腔用バイアルの固定液は20mLの容量があり、必要に応じて標本の再作製が可能である。バイアルに採取された検体の細胞診標本としての保存可能期間は常温で2ヵ月、冷蔵で3ヵ月である。この際、倒置せず高温多湿および直射日光を避けて保存・保管するよう留意する。4.免疫細胞化学染色(ICC)標本への適応ロシュ・ダイアグノスティックス㈱の全自動免疫染色システム「ベンチマーク®」シリーズを用いた培養細胞の免疫染色検討では、検討に用いた12種の一次抗体において検体採取から3か月まで良好な染色性が確認されている(非婦人科領域含む)。現在、他の一次抗体についても追加検討中である。5.ハイリスクHPV遺伝子検査の適用と保存安定性 婦人科・口腔用バイアルはハイリスクHPV遺伝子検査「コバス®HPVテスト」への適用が確認されている。2~8度保存時、室温保存時ともに検体採取後3ヵ月は保存安定性が担保されている(表2)。①検出感度(LOD)試験 (vs PreservCyt)感染細胞(SiHa/HeLa)を用いてそれぞれ100cells/mL及び40cells/mLにおけるHit RateをPreserveCytと比較SiHa(HPV16)及びHeLa(HPV18)を用いたCP/PCそれぞれのHitRateは、SiHa(98/98)及びHeLa(100/100)となり、PreserveCytと同等(規格内)◎②相関性試験 (vs PreservCyt)婦人科を受診した148名を対象にブラシにて2本採取しCP及びPCに懸濁後HPVを測定1例の不適正検体を除く147例の一致率は143/147=97.3%(2例:CP+/PC-、2例:CP-/PC+)と規格内(95%以上)◎③コンタミ試験CPでHPV陽性パネルと陰性パネル各25検体をそれぞれ交互にCPにて処理後HPV測定Cellprep® PLUS/AUTO共にHPV陰性検体のコンタミによる陽性化は無し。ボトル間のコンタミは見られない◎④保存安定性試験CPでHPV陽性パネル(51本)と陰性パネル(15本)を1mLずつ8本(1M、2M、3M、4M)に分け、2-8℃及び30℃にて保存し、HPVを測定。判定一致率は2-8℃及び30℃共にすべてのポイントで、陰性15/15=100%、陽性51/51=100%となり、規格内(95%以上)◎検討内容方 法結 果判定表2 HPV検査への適応CP:Cellprep®婦人科・口腔用バイアルPC:婦人科用プレザーブサイト液(Hologic社)

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