一般カラーアトラス 第3章
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–33–症例9扁平上皮癌3–1 呼吸器材料:喀痰 年齢・性別:60歳代・男性 臨床経過:胸部異常陰影図2 従来法(喀痰)Pap  x400図1 Cellprep® Pap  x400図4 従来法(気管支擦過)Pap  x400図3 Cellprep® p40  x200  小型異型細胞が出現。WHO分類第4版(2015)では免疫組織化学的にp40あるいはCK5/6を発現していれば、角化や細胞間橋がなくても、非角化型扁平上皮癌と分類することになっており、細胞診でも免疫染色による鑑別が可能である。 肺野末梢に発生した扁平上皮癌である。最近、末梢発生は肺扁平上皮癌全体の半数以上を占め、腺癌との鑑別を要する症例も増えている。 細胞密度は高く、層状に配列、喀痰と同様に小形異型細胞の集団で出現している。細胞質境界やや明瞭で、大小不同を示し、核中心性である。 末梢型肺扁平上皮癌には明瞭な核小体を有し、細顆粒状のクロマチンを呈し、淡い細胞質をもつ異型細胞も存在する。材料:気管支擦過(同患者検体)

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